僕らの愛は今日も忙しい僕らの愛は今日も忙しい
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問題は解決しましたので、こちらにUPしたSSはFanfictionへ移動させました。
なお、レイアウト(改行部分のみ)には若干の変更を加えております。
先日の日記にも書いたのですが、今、まともにサイト更新できる状態にないので、とりあえずこちらのブログの方へUP
また後日、きちんとUPし直します。
リク下さった炎菜さん、よろしければお受け取りくださいませ。長らくお待たせしてしまい申し訳ありませんでした
↓
なお、レイアウト(改行部分のみ)には若干の変更を加えております。
H20.07.13
先日の日記にも書いたのですが、今、まともにサイト更新できる状態にないので、とりあえずこちらのブログの方へUP
また後日、きちんとUPし直します。
リク下さった炎菜さん、よろしければお受け取りくださいませ。長らくお待たせしてしまい申し訳ありませんでした
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***************
指先から、伝わる
「えへへ。何だかおねだりしちゃったみたいで申し訳ないなあ…」
頬を赤らめて井上は言った。
財布から自分の分の120円を出そうとするのを制止した俺に。
学校からの帰り道。
井上が「今日は寒いね」と言ったのが、ちょうど自販機の真ん前で。じゃあ何か温か
いものでも飲むかって俺が言って。
バイトもしてない稼ぎゼロの高校生とはいえ、缶ジュースの1本くらいは。
ちょっとした男のプライド的なもん。
「ほら。」
自販機には井上の好きな『面白い』飲み物は入ってなかったので、彼女にはホットココアを。ちなみに俺はホットコーヒー。
「あ、ありが…」
あ、指が。
「あ…」
ガコンとココアの缶が地面に落ちて、転がった。
「わわっ、ご、ごめんね。」
「いや、俺の方こそ…」
渡し方が悪かったか?それとも受け取り方が?
違う、たぶんそうじゃなくて。
違わない、か?もしかしたら。
指先が、触れたんだ。ほんの少しだけ。お互いの。
ただ、それだけの事なのにビクッとなって。
―――どっちが?
「おっ、大丈夫!缶に穴はあいてませんぞ!」
そりゃあ、まあ。
「悪ぃ。俺のと替えるか?」
「ううん。これで全然OKっす。」
でも一応飲み口はふいておこう、と言ってハンカチを取り出す。
その、白い細い指。
さっき俺の指にあたった。
つか、何で今さら指先にちょっと触れたくらいで。
そう思うけれど、その原因なら既に分かってる。
「おいしい…」
そう言って幸せそうな顔をする井上は可愛い。と、思う。
可愛いと形容するのに相応しい外見をしてる事くらいは前から分かっていた。
でも、そういうことじゃなくて。
可愛いと思うのは…
「黒崎くん、飲まないの?」
「へ?」
何を?
ああ。
右手には缶コーヒー。その温かさ―――というよりむしろ熱さ―――は伝わってきて
いるのに、すっかりその存在を忘れてしまっていた。
「あ、いや、飲む。」
飲んだけどあんまり味とか。そっちに意識が行かない。
それに、今、手に直に感じてる熱さよりも、さっき井上に触れた指が。
けど、そう言えば俺、虚圏に行った時、井上肩に担いだんだっけ。
腰をガシッと掴んで持ち上げ……………今考えればなんつー…
あの時の自分を「何やってんだ」と怒鳴ってやりたいというか、「替わって下さい」とお願いしたいというか。
特に意識していなかった頃は普通に出来た事が、気付いてしまった今となっては。
…とても出来たもんじゃない。
むしろ気付かない方が良かったような気もしないではないけれど。
いや、待てよ。
気付かなかったら、あれは自分の中で特別意識するような事でもなく。気付いた今と
なっては、特別意識するような事だからあんな事とか…ちょっと…無理だろ。
ああ、何か頭の中がぐちゃぐちゃになってきた。自分でもワケ分かんねえ…
「ごちそうさまでした。」
俺がグダグダ考えているうちに、井上はココアを飲み終わったらしい。
気が付けば俺のコーヒーの缶も空になっていた。
「んじゃ、行くか。」
井上に背を向けて先を歩く。平静を装って。
装って、みても…
顔が熱い。耳も。
たぶん、かなり赤くなっていると思う。
気付かれはしないだろうか。
気付かれたとして、それを熱いコーヒーのせいにしたりとか。なんとか誤魔化しはきくだろうか。
もし指摘されたら、風邪で熱があるって事にでもしとこうか。でも、そしたら井上の
事だし心配………って、…ん?
不意に。
左側。腕を少しだけ後ろに引かれる感覚。袖口を。
振り返ると。
「あ。」
井上。
「え?」
「えと…あの…。黒崎くん、歩くの速くて。あのぅ……ゴメンナサイ…」
俺の袖口の先、その先のほんのちょっとの部分が、井上の手から放された。
そういえば、さっきから井上の声が聞こえてたような。
何度呼んでも俺がさっさと先に行ったものだから、か。
「いや、俺の方こそ。考え事してて。ごめんな。」
「いえいえ、あたしの方がすみませんです…」
「別にお前謝るようなことしてねーし。俺がどんどん先に行ったからだろ。悪い。」
「ううん、そんな!全然!!」
「つか、もうちょいゆっくり歩くから。」
「あ、うん!それじゃあそういう事でお願いします…デス。」
「…おう。」
「………」
「………」
沈黙。
どうする?
どう…
「んじゃ、離れねーように手でも繋いで帰るか。」
アホか、俺。何でそうなる。
言ったと同時に差し出した手が何とも間抜けで。
冗談だと言ってしまえ。引っ込めろ。今ならまだ間に合う、たぶん。
「うん、繋いで…帰る…」
さっきまでと違う、消え入りそうなほど小さな声で。
そっと。指が触れる。
けど、結局ちゃんと手を繋いで歩く事なんか出来なくて。
繋いだのは、指先だけ。
それだけでも。
温かい。
ほんの少しだけ触れた指先から、伝わってくる。
心地よい温もりが。
伝わる…
***************
なんだか一護がうだうだ悩みすぎな子になってしまいましたが(´・ω・`)
これは私の「一護にはこのくらい織姫の亊で悶々してほしいのよ~!」という願望の現れということで(笑)
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